「金色のガッシュ!!」原稿紛失訴訟の和解が成立

金色のガッシュ!!」の作者、雷句誠氏が原稿を紛失した小学館を相手取って330万円の損害賠償を求めて提訴した問題で、小学館が原画の紛失を雷句氏に謝罪し、和解金255万円を支払うことで11日に和解が成立したそうです。ただし和解条項案の文内にて「漫画原稿についての美術的価値に対する配慮を欠き」の一文を加えれなかったこと。雷句氏が小学館側に提案した「共同提言」が「一個人の漫画家が、漫画界全体の約束事を決めるのはおかしい。」という理由で成立できなかった事の2つが悔しいと雷句氏が自身のblogで明らかにしています。裁判という性格上、対象となる具体的事実のみが問題となり、漫画界全体に影響が及ぶような抽象的な約束事が和解の対象にならないというのは仕方のないことかもしれませんが、漫画原稿流出事件の際と同様に出版社側には漫画家との間に原稿の扱いについてのシステマチックな約束事を行なおうという意識が存在しないことが明らかになったのは残念です。