今週のRelease Radarのプレイリスト、先週に引き続いての紹介はアラン・ホールズワース(Allan Holdsworth)、Focus、パット・メセニー(Pat Metheny)。ただし、Pat Methenyは自分で演奏せず、彼が作曲・アレンジした曲を、グラミー賞受賞歴もあるLAのギターカルテット、LAGQ (Los Angeles Guitar Quartet) の演奏で収録しています。
以前にも紹介したアイスランドのÁrstíðirの新作が素晴らしい。優しい男性ヴォーカルとコーラス、フォーク調のギターの音色が最高の癒しになっています。
ロシアのHuman Factorはインストゥルメンタルで、ポストロックなサウンドを提供しています。新作はアフリカン・ドラム調のリズムに乗せて、ギター、ベース、キーボードの音が踊る感じ。総体的グローバルな仕上がりです。
フロスト* (Frost*)はイギリスの手練れメンバーが終結したプログレッシブ・ロック・グループ。新作はポップなサウンドに溢れた曲ながら、プログレファンにも響くもの。
Mr. Bigのギタリストとして有名なポール・ギルバート(Paul Gilbert)は堂々とした直球のハードロックをプレイ。テクニカルで速弾きな特徴を満喫できます。
ノルウェイのシンフォニック・バンド、Kerrs Pink。初期の北欧的でシンプルな哀愁をメロディーにしたものから、より進化した聴き応えのあるシンフォニック・ロックに仕上がっています。
同じくノルウェイのプログレッシブ・ロックバンドOAKのメンバー、Ole Michael Bjørndal(ギター)によるソロ・プロジェクトがCaligonaut。以前にも紹介したバンドですが、この曲はメタル調のギターにいざなわれ、複雑に構成された15分弱の大曲に心も体も委ねてしまいます。
トルコのミュージシャンでフレットレスクラシックギターを発明したエルカン・オウル(Erkan Oğur)は逆にクラシックと民族色の融合が魅力的です。
その他のピックアップ曲は以下の通り。
続いてDiscover Weeklyの今週のプレイリストの方も、見慣れないアーティストがいっぱい。名前と音楽が分かっているのはペンギン・カフェ (Penguin Cafe)。以前はペンギン・カフェ・オーケストラ(Penguin Cafe Orchestra)と、ドイツの現タンジェリン・ドリーム(Tanjerine Dream)メンバーUlrich Schnaussと、デンマークのJonas Munkのコラボアルバムからの3作品目。
ウクライナ出身のギタリスト&フルート奏者、Estas Tonneは2017年のシングルから。クラシックギターの美しい調べから、力強い演奏への転換が見事。フルートの演奏が聴けなかったのは残念。
カナダ、トロントの王立音楽院で学んだワイリー3兄弟と、友人のジェイソン・ニッケルにより結成されたロック・バンドの2012年のアルバムから。手拍子をバックに女性のコーラスから入り、男性ヴォーカルの優しく力強いヴォーカルと、癖のあるヴォーカルが交互に繰り返されるユニークな構成。
北アイルランドおよびイングランド出身の凄腕メンバーで結成されたオール・インストルメンタル・バンド、フルック(Flook)。二人のフルート奏者が奏でる笛の音色を、ギターやパウロンがサポートするという、ヴァイオリンのないオランダのフレアーク(Flairck)のような印象。好きだなあ。そんな彼らの2005年のアルバムから。
スウェーデンのアル†カナ(Arcana)は非メタルのゴシック系バンド。2012年のアルバムからのこの曲は、どちらかというとダーク寄りではなく、きらびやか。反復するメロディーがやや暗めな印象を感じさせるくらい。詠唱というかハミングのようなヴォーカルも効果的です。なお、アメリカにも同名のバンドがあるので注意してください。
ドイツのEmpyriumは初期のフォーク系メタルからアコースティック系ネオ・フォークに変容して、実に私好みのバンドになりました。そんな1999年のアルバムから。
アメリカの5人組インストルメンタル・バンド If These Trees Could Talk。北欧のグループのような澄み切った空気感や、清浄な水のせせらぎのようなクリアーなネイチャーサウンドを聞かせてくれます。まさにジャケットの世界。2016年の今のところ彼らの最新アルバムから。
オランダのリュート奏者、Jozef van Wissemはミニマル・ミュージックを志向しているので、曲が単調に聴こえてしまう方もおられるのではないかと思いますが、そこに良さを感じてしまうのが私の音楽的志向です。2017年の「映画のための新しいリュート・ミュージック」から。
スウェーデン発のサイケデリック・バンドで評価も高いドゥンエン(Dungen)。ヴォーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボード、フルート、ヴァイオリンをこなすマルチプレイヤーであるGustav Ejstesを中心としたバンドで、2016年のこの作品は、ドイツ人影絵作家のロッテ・ライニガーが1926年に発表した歴史的名作かつ世界初の長編アニメ映画として知られる 『アクメッド王子の冒険 (The Adventures of Prince Achmed)』の仮想サウンドトラックアルバムから。現在進行形サイケデリック・バンド最高峰という評価もありますが、私はOzric Tentaclesが最高峰だと思っています。
最後にピックアップするのみの曲を。