今週はまた名の知られたアーティストが多く紹介されました。
まずはDiscover Weeklyとしては久しぶりの日本人アーティストが紹介されました。ジャズピアニストの上原ひろみです。バークリー音楽大学ジャズ作曲科とCWP(Contemporary Writing & Production)科を首席で卒業し、制作に参加したアルバムがグラミー賞も受賞しているという、正真正銘の天才ピアニストなんですが、彼女がベースにAnthony Jackson、ドラムにSimon Phillipsを迎えて、2014年に制作したトリオプロジェクトの3作目から。彼女のオリジナル曲の素晴らしさがよくわかります。
海外からはまずイギリスのカリスマ的バンドKing Crimsonの最新盤。3枚組(3枚のアルバムの)コンピレーション盤収録のアコーステックバージョンを。変拍子の嵐がすさまじいです。
イギリスはカンタベリーロックの雄として知られるCaravanの1973年のアルバムから。といっても2001年の再発盤ということでボーナストラックが追加されています。Spotifyさんもオリジナルアルバム盤も聴けるようにしていただけるとありがたいのですが、ぜいたくなお願いですね。
イギリスのベテランプログレッシブロックバンドのRenaissanceは1973年のアルバムから(偶然にもCaravanと同じ)。アルバムのタイトル曲で11分越えの大曲。歌姫Annie Haslamの歌声が響き渡りまくりです。
イギリスのプログレッシブロックバンドEL&Pのベース兼ヴォーカルとして知られる故Greg Lakeの1981年のファーストソロアルバムから。ジャズ、ハードロック系の名ギタリストであったGary Moore(こちらも故人)を迎えての制作で、透明感のある彼の歌声に加えて、彼らの演奏もたっぷり楽しめます。2016年の再発盤ではボーナストラックで3曲追加されています。
イギリスのシンガーソングライター、ミュージシャンで、元Japanのリーダーとして活躍したDavid Sylvianの1986年のアルバムの2003年リマスター盤から。ダークで退廃的な空気感の音楽です。
Nine Horsesは、歌手/楽器奏者のDavid Sylvian、彼の兄弟であり頻繁に協力するドラマーのSteve Jansen、電子作曲家/リミキサーのBurnt Friedmanの音楽コラボレーションです。2007年のアルバムからの曲も基本的にはDavid Sylvianらしさが感じられますが、幾分か退廃的な感じが薄れています。
ドイツのPopol Vuhは、電子音楽プロジェクトとしてスタートしましたが、その後シンセサイザーを使わない、オーガニックでワールドミュージック的な音楽に変わりました。1972年のこのアルバムからピアノ主導の曲作りになりました。
ドイツのポストロックバンドGlasgow Coma Scaleの2017年のアルバムから。アンビエントな香りもします。インストゥルメンタルロックとしての水準も高く、曲のタイトルのように大気圏からも解放されるかのような勢いの浮揚感もあります。
新世代ヨーロピアン・ジャズピアノトリオの最右翼がドイツのTingvall Trioです。2017年の作品から。メロディの美しい作品に仕上がっています。
ノルウェーのプログレッシブメタルバンドCircus MaximusはDream Theaterのフォロアーと称され、ハイトーンヴォーカルやドラマチックかつ叙情的なアレンジが特徴です。2012年のアルバムからの曲も美しさと激しさのバランスが絶妙です。
オーストラリアのプログレッシヴメタルバンドCaligula's Horseも、Dream Theaterに続く次世代プログレッシヴメタル担うであろうバンドの筆頭です。昨年のアルバムのボーナストラックが追加されたヴァージョンから。リリカルな部分とメタル的な部分がうまくマッチングしています。
今週もたくさんの素晴らしい曲に出会えました。感謝しています。