いつも障害者用駐車スペースで思うこと。

大規模商業施設や公共施設の駐車場には、エントランスの近くに車いすのシルエットが描かれた駐車スペースがあって、車いすの利用者を含めた肢体不自由の障害者の方、内臓疾患の障害をお持ちの方などが運転者であったり、同乗していてその施設を利用するという場合に、そのスペースに駐車できるという共通認識(法律で定められているわけではない)があります。また、パーキングパーミット制度という、障害者・妊婦・ケガ人・高齢者など、歩行が困難であると認められた人が優先的に駐車するための制度を設けている自治体があり、その場合は車のルームミラーなどに引っ掛けられる利用許可証を申請して発行してもらうことができます。(大体のデザインは同じですが、自治体によって少し異なる場合はあります)

https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/image/49116.jpg

新潟県のホームページから借用。
ここまでは障害者用駐車スペースと、その利用者についての説明を行ってきたのですが、ここからは少し胡乱な話になります。障害者用駐車スペースを利用している車はよく見るのですが、実際に歩行困難な方や車いすを利用している方を見たことは殆どありません。経験値でいうと10パーセント未満だと思います。特にがっかりさせられる気持ちになるのは、パーキングパーミット制度の利用許可証を車のルームミラーなどに引っ掛けて利用している車の方々なんです。この利用許可証を利用している車で、病院の駐車場以外では身体の不自由な方を見かけることが100パーセントありません。障害者用駐車スペースに車を止めて、ルームミラーに利用許可証を引っ掛けて、さっそうと車を降りてくる姿を見てしまうと、腰が砕けてしまうような残念な気持ちになります。身体の不自由な方を乗せるために利用許可証を取得しているケースが多いと思いますが、対象となる身体の不自由な方を見たことがないのです。最近一番首を傾げることになったのは、利用許可証を車のルームミラーに引っ掛けた大型のSUV車を見ることが増えていることでしょうか。SUV車は車高が高く、身体の障害を持っている方にとっては最も乗り降りに困難を伴う車だと思うのです。そんな車から降りてこられる方は身体剛健そうな方ばかりで、逆に疑惑の目を向けるのにも躊躇してしまいます。
私も脊髄小脳変性症を患っている母親を乗せて移動する際には障害者用駐車スペースを利用しますが、母親を車に残して私一人で買い物をする場合は、障害者用駐車スペースを避けて通常の駐車スペースを利用しています。勿論、私自身も脊髄小脳変性症のために、歩様はまともではないのですが歩行そのものが困難なわけではありませんので、単独行動の場合には障害者用駐車スペースの利用はいたしません。ですので、障害者用駐車スペースを利用しているパーキングパーミット制度の利用車に対する、疑惑と不信の目を向けることぐらいはお許し願いたいと思います。