漫画原稿流出事件

守る会の掲示板で、編集者の木下さんや普通の会社員さんが、漫画家へのストーリーの提供を行うのは編集者の業務ではないとおっしゃっていますが、出版社がその漫画家を使うことを決定した時点で、作品の完成に関わる編集者の全ての労務提供は業務の一環になってしまうと思います。
確かに、ストーリーを自分で構築することが出来ない漫画家が存在するのも情けないことですが、出版社がその漫画家を起用する場合は、ストーリー作りが出来ないという事情を含んでも、その漫画家の作品であることが求められているわけですから、編集者がストーリー作りを手伝う(完全に作る場合も)のは業務の一環ということになってしまうでしょう。
最近の漫画は、作品に内在する情報量が半端じゃなく多くなってきており、正直言って週刊連載を成立させるには、編集者をはじめとするスタッフの情報収集からアイデアの提供までにいたる献身的な協力が必要になってきているように思います。
その意味で、もっと編集者の仕事をちゃんと評価するシステムが出版社内に必要だと思いますが、それは今回の事件で問題となった原稿の権利関係の契約問題と同様に、今後見直していかなければならないことなんでしょうね。
さて、少しずつですが守る会の活動に加わる漫画家さんが名乗りを挙げてくださっているようで、渡辺先生や川島先生の気持ちにも張りが出てくるのではないでしょうか。
地道な活動は派手な変化をもたらすものではありませんが、時間はかかっても確実に効果が浸透していくものだと思います。
戦いはまだまだこれからですね。