1リットルの涙

亜矢(沢尻エリカ)の食事のシーンで、横で見ていた母が「私もスプーンを使うようになるんだね」と呟き、車椅子に乗るシーンでも「いつ乗るようになるんだろうね」と呟く。字を書くシーンでは「私の方がまだ上手に小さい字をかけるね」と自分の生活と照らし合わせるかのように確認している。既に階段を昇って2階に上がることは怖くて出来ない母は、階段を一人で降りてくる亜矢を、身を乗り出すかのようにヒヤヒヤしながら見ていました。
普段の行動が自宅周辺に限られている母とは違い、若い亜矢は自らの行動の選択の自由を、病気によるだけでなく周囲の環境によって奪われてしまうという辛い現実を迎えています。家族愛と並んで無償の愛を提供してくれる友情。その具現者である友人との日々を過ごすことは、様々な自由を奪われた亜矢にとってかけがいのないものだけに、それを奪おうとする、または奪わなければいけない(予告を見ると残念な決断をしなければならなかったようです)周囲の環境がやるせないですね。