ガリレオ 第7回(昨夜放送分)

ゲストが菅原(塚地武雅)と静子(深田恭子)という夫婦役で、さらに菅原には不倫相手がいてその不倫相手・冬美(桜井千寿)が結婚を迫って首吊り自殺してしまうという、一見じつに無理があるキャスティングですがこれには理由がありました。冬美の首吊り自殺は狂言で、スイッチひとつで外れる仕掛けがしてあったのですが、スイッチを押してもなぜか装置が作動せず本当に死んでしまう。これが理由で菅原は静子と離婚しなければならなくなり、資産家である彼は多額の慰謝料を支払うはめになるわけですが、静子を菅原に紹介したのが菅原の大学時代の後輩・峰村(佐藤重幸)で、冬美の自殺の際にも菅原と一緒にいて彼女の自殺の第一発見者となったということで、真相はじつに判りやすいものとなりました。静子と峰村が手を組んで菅原から慰謝料をせしめようと仕組んだことだったのです。騙されて本当に自殺するはめになった冬美が哀れでなりません。ところで、先週と同じように物理学的なトリック解明の面白さではなく、人間関係や自殺目撃から通報に至るまでの時間経過が事件解明に繋がる展開は、何か不完全燃焼な感が否めません。電圧を加えることで粘性が変わるER流体を使用した狂言自殺のトリックが、事件解決の肝となっていないところが残念でした。静子の心理を揺さぶる効果は十分にあったようですがトリックもののカタルシスがないのが物足りません。
それでも深田恭子が先週の堀北真希のような名ばかりのゲストではなかったのと、桜井千寿の出演は思わぬ喜びでした。