漫画原稿流出事件

まんだらけZENBU」最新号の巻頭言にて、古川社長は今回の事件に関してHPの社長日記と同様の内容を書かれています。
巻頭言にはこの最新号にインタビューが掲載されている漫画家、カゴ直利氏からも助言を受けたと述べられていますが、インタビューでカゴ先生が触れられていたのは、昭和20年代後半から40年代にかけては、大手(集英社小学館)も含めて漫画の編集者にはいい加減なものが多くいて、原稿管理も杜撰だったし、原稿料の支払いもまともじゃないことが多かった。ということであって、現在の出版社の原稿管理についての不備を指摘しているわけでもなく、流出した原稿が古書店で売られることの是非を語っているわけでもありません。
それを、巻頭言の中に恣意的に盛り込んでしまい、古川社長の主張のバックグラウンドを支える話があったかのごとき表現をするというのは、カゴ先生に対して大変失礼というべきものでしょう。
この最新号にも、日野日出志先生の原稿を始めとして多くの作家の原稿が収録され売りに出されていますが、古川社長の言葉を借りるならば、多くの原稿が普通では流通しないものなのでしょう。
まんだらけは日々、漫画文化の源とも言える原稿の散逸に邁進しています。