「ファイヤーボーイズ」第2話

 放火犯がテーマのお話でしたが、放火犯に救いを持たせるような話作りは残念でした。
厳しいようですが、放火は殺人に準ずる重い犯罪であると考えています。
ただ、放火犯にとっては直接、人の生命に危害を与えるという実感がないために、その罪の重さに思いがいたらないという問題があります。
放火犯は自分の放火によって人が死んだとしても、それを知るのは新聞やニュースなどの媒体を通じてであり、直接、炭化してしまった遺体を目にしたり、人の焼けたなんとも表現のしようのない匂いを鼻にすることもありません。
その上、放火現場の戦利品を持ち帰るような設定をしておきながら、その犯人に救いの手を差し伸べるような設定は非常にまずいでしょう。
今回のドラマでは死人が出ない設定でしたが、それは放火犯の意思によってなされたものではなく、単なる偶然です。
放火という行為には放火犯の意思に関係なく、未必の殺意が必ず付きまとっているのです。
実際の連続放火の現場に遭遇し、炎の向こうに亡くなった方の人影を目にし、悲鳴を耳にしたものにとって、放火犯はその結果にかかわらず無差別殺人犯と同等の犯罪者なのです。