週刊文春の徹底検証記事

昨日の日記で今週号の広告からの印象を書いた後で間違っていたら謝罪する旨記載しましたが、本日今週号を購入して記事を読んだ結果、謝罪の必要はないと判断いたしましたので悪しからず。
今週号については「40ページにも及ぶ徹底検証」ということなので、これから数日にわたって記事へのコメントを付けていきたいと思います。長々と文章をまとめる能力に欠けているものですからご了承願います。
なお『 』で囲んだ部分は文春からの引用部分となります。繰り返し引用部分が登場すると思いますのが、個々に注は付けませんので念の為。
で、問題の徹底検証記事ですがわずか4ページです。後半部分に掲載された「編集長から」2ページを加えても6ページで、他は検証記事ではなく応援原稿です。これが徹底検証の中身であるならば寂しすぎるような気がしませんか?
それでは具体的な検証記事の中身に触れてみましょう。
今回の記事を掲載した第一の理由として、
『初当選以降「主婦感覚」を標榜し、家族との仲の良さをアピールしてきた真紀子氏の表向きの言動とはかけ離れたものであり、改めて、その資質に首を傾げざるを得ないものだと考えた。』
もうボロが出てしまっています。
田中真紀子氏を叩く為に、娘のプライバシーを利用させてもらいましたよという宣言です。
そして、これを正当化するために第2の理由をこじつけたわけです。
『真紀子氏には、長男、長女、次女の三人の子供がいるが、彼らとその配偶者は有力な後継者候補になりうる。これは現在の本人の意思とは関係ない』
出版社側の決め付けで構わないだろうということですね。
さらに、この理由を補完するために、真紀子氏と婿の直紀氏両名の選挙不出馬宣言の言行不一致を取り上げていますが、それが長女の将来の選挙への出馬を保証するものではありません。
長女が主張する「悪質で意図的なプライバシーの侵害」はないとしていますが、最初にとり上げた記事掲載の第1の理由が、悪質で意図的な目的そのものを表しているように見えます。
『二人のプライバシーには極力配慮するようにした。二人の私生活における出来事の事実は書くが、その詳細には触れない。二人の名誉を傷つけるような記述や、人格面や評判などへの否定的な見解については触れないようにした。』
これって、長女側からの申し出がなければ、名誉を傷つけ、二人の人格面や評判を否定するという、誰の目から見ても悪質で意図的なプライバシー侵害の記事を掲載するつもりだったってことですよね。
それと、検閲という言葉を勝手に使用していますが、
『異例のことではあるが、文春側から発売前の雑誌を裁判官と長女側に見せたのである』
裁判官から要求があったとは書かれていないので、文春側が自主的に提出したようですが、これをもって事前検閲とはいえないのではないでしょうか。
最後に公人と私人との区別について
『政治家の子弟を「純然たる私人」とすることに違和感を覚える。』
『現職の代議士のうち、基本的に世襲がない共産党公明党を除いた四百三十四議員のうち、本人又は配偶者の三親等以内に政治家の親族を持つ者は二百一人おり、約46パーセントに上る。』
としていますが、共産党公明党の議員を除いてさえ過半数に達していないのが現実です。
つまり政治家の子弟の過半数は議員になっていないわけで、これをもって長女は公人であるとの結論に誘導するのは強引に過ぎるのではないでしょうか。
このように徹底検証とは言いながら記事の掲載の正当化を主張する理由付けを探すことにばかり労力を費やし、長女のプライバシーの件については、
『もちろん、小誌記事が長女のプライバシーを侵害したかどうかについては、別稿で様々な論者が述べているように大いに議論があるところである。今回の記事が興味本位な作りだったのではないかという指摘にも真摯に耳を傾けたい』
と他人事のような検証で、わずか5分の1ページを当てているに過ぎません。非常にバランスを欠いた検証記事であるとの印象が深まります。
とどめに、
『今回の事件は、報道に携わるすべての人々にとって、揺るがせにできない重大な問題を孕んでいる。新聞やテレビなどの大手マスコミはもちろん、すべての国民に関心を持ってもらいたいと思う。』
だそうで、自分たちのくだらない不始末の尻拭いをお願いしたいだなんて、他のマスコミを巻き込まないでほしいものです。
長くなりましたので、残りは明日に続けます。