- 出版社/メーカー: パラマウント ジャパン
- 発売日: 2005/03/01
- メディア: DVD
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技術の進歩による視覚効果・音響効果の素晴らしさは見事です。CGとそれ以外のセットを使った特撮の結合やバランスも、最近の特撮映画とはレベルの違う仕上がりになっていて見ごたえがありました。ここの部分だけで1000円の料金分は回収できます。
ストーリーや演出についてはネット上でも批判の方が多いようですが、主人公のトム・クルーズが英雄的活躍をするものとして描かれるのではなく、小市民的父親として子供たちを守るためにひたすら逃げまくるという描き方には共感を覚えます。ポイントになるシーンではちゃんと勇気を発揮していましたしね。
トライポッドのデザインも原作を基本的に尊重したもので、音響効果を上手く使うことで怖さを表現していました。町の破壊シーンや殺戮シーンはたっぷりと表現していましたが、軍隊(といっても州軍レベルしか出てきません)との戦闘シーンは基本的には直接描写しない演出になっていました。出演者のセリフや間接的描写による軍隊の全滅シーンを盛り込んで表現していましたが、トライポッドの無敵ぶりがいまひとつ伝わりにくかったように思います。
エンディングは原作通りでしたが、観客のうちの結構な人数が原作のオチを知らないようで、物足りなさを口にしていたのには驚いてしまいました。今の若い人(私も年をとったもんだ)は学校の図書館などで原作を読むような経験をもたない世代なんですね。原作が書かれた19世紀にはエンディングのアイデアは斬新なものだったと思いますが、科学の進歩した現代ではちょっと辛いものがあるのは仕方のないことなのかもしれません。生物・化学兵器、環境工学などという言葉すら存在しない時代だったのですから。
突っ込みどころなど探せばイクラでも見つかるとは思いますが、それが映画の楽しみ方とはいえないでしょう。傑作とはいえませんが、楽しませてくれる映画でした。
最後に、エンドロールを見ていたら協力企業に東映アニメーションの名前がありました。なぜだろうと思いつつ更にエンドロールをみていると、サウンドトラックで使用したBGMリストの中に「セーラームーン」の文字を発見。全然気付きませんでしたが、どこかのシーンで使われていたんですね。スピルバーグの趣味でしょうか?
- 作者: H.G.ウエルズ,H.G. Wells,斉藤伯好
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2005/04/01
- メディア: 文庫
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