SP(エスピー) 最終回

山西(平田満)は引き鉄を引いたが弾が出なかった。残弾がなかったなんて笑い話にもなりませんし、テロリストとしての存在価値すらありません。テリストをプロらしくなく描いての演出はリアリティを大きく欠く結果となります。結局撃たれたSPたちも防弾チョッキのおかげで怪我をしただけで済むという緊迫感のなさ。麻田総理(山本圭)を守りつつ走って逃げる井上(岡田准一)に、ゆっくりとした足取りで追いついてしまう山西。そして倒れたSPから奪った拳銃で再び無駄弾を撃ちつづけます。その山西を走って追いかけても簡単に追いつかないSP達。さらには会場にはSPしか配置されていないとはいっても、会場の外にいた制服警官が応援に駆けつける気配がないという不思議さ。明らかにされる井上の両親の死の真相。当時は代議士でしか過ぎなかった麻田が、下手をすれば政治家生命を失いかねない襲撃事件を仕組む異常性。無理が無理を呼んでリアリティを破壊つくしてしまいました。その後の展開は付け足しのようなもの。クライマックスがまさしく舞台劇かのようにステージ上で終息してしまった後では、空虚な時の流れでしかありません。スペシャル版のための布石と考えれば仕方ありませんが、非常に不愉快な終わり方でしたね。売りものであるはずの井上の特殊能力もどんどん弱体化していったような感じで期待を裏切られてしまい残念でした。