あしたの、喜多善男 第9回(火曜夜放送分)

自らの命を絶とうとしていた善男(小日向文世)ですが、そのモチベーションは自らが決めた日に自らの手で命を絶つことにあり、人の手に委ねることではありません。ただ、あのような状態の母親をおいて先に逝くということが彼自身に許せるのかどうか難しいところですが、彼の死へのモチベーションは普通の自殺志願者とは違うのでしょうね。それなのに次から次へとよくもまあ命を狙われること。そして遂にみずほ(小西真奈美)の前に現れた死んだはずの三波(今井雅之)。彼は自分の暗示が善男を殺そうとしているのではなく、11年後の今になって死を選ぼうとしているのは善男自身の意思に違いないといいます。平太(松田龍平)やリカ(栗山千明)の借金話、ある意味善男の一番の理解者であるしのぶ(吉高由里子)の想い、保険調査員・杉本(生瀬勝久)の活躍といった脇役のかかわり方を含めて、通常のサスペンスとは違う時間の流れを持ったサスペンスというドラマ作りがユニークです。