新潟のアイドル雑感 その35

NGT48のデビューシングル「青春時計」が4月12日に発売日を迎えました。初日(4/11)売上は127,293枚(オリコン集計)で、オリコンチャートでデイリー1位となりました。CDの発売形態は4種類で、Type-A〜Type-Cまでは表題曲「青春時計」と共通カップリング曲「空き缶パンク」。そしてType-Aには荻野由佳をセンターとする「出陣」、Type-Bには本間日陽がセンターの「純情よろしく」、Type-CにはTeam N3+研究生のメンバー全員による「暗闇求む」。それに加えてMUSIC VIDEO2曲分+特典映像(メンバー全員のPV)DVD付き。残るNGT48CD盤にはType-A〜Type-Cまでに収録された5曲に加えて、研究生10名参加の「下の名で呼べたのは…」が収録されています。

青春時計(TypeA)(DVD付)

青春時計(TypeA)(DVD付)

青春時計(TypeB)(DVD付)

青春時計(TypeB)(DVD付)

青春時計(TypeC)(DVD付)

青春時計(TypeC)(DVD付)

青春時計

青春時計

発売日当日(4/12)にType-A〜Type-Cまでの3枚を購入してきましたので感想を書いてみます。まずは音源のみを聴いての楽曲の感想。表題曲「青春時計」は一聴するとインパクト少なめですが、NGT48らしい穏やかで優しい曲調の俗に言うところのスルメ曲。長く愛される曲になりそうです。一方で共通カップリング曲の「空き缶パンク」は、どちらかと言えばメジャー以外のアイドルが歌うアゲアゲの曲調で、現在のNGT48とは一番離れた印象の曲に感じられました。MUSIC VIDEOが作られていないのも曲を理解する上で困難さを与えています。Type-A収録の「出陣」も現在のNGT48とは違った曲調ですが、欅坂46ほどには激しくなく、彼女たちの新しい方向性のひとつを期待させるような感じで面白い。Type-B収録の「純情よろしく」はエールを連呼して元気を分け与えるような歌詞と歌い方が特徴。劇場などでのファンとの掛け合いが楽しそうです。Type-Cに収録の「暗闇求む」はタイトルのイメージほど暗い曲調ではなく、歌詞でタイトルの雰囲気を表している印象。ただ、もの悲しさを感じさせるメロディラインはなかなかいい感じです。
MUSIC VIDEOについて。表題作の「青春時計」については以前にも感想を書いていますが、約千人のエキストラの協力のもとに作られた、いかにも地元愛に満ち溢れた作品で最もNGT48らしい作品に仕上がっています。「純情よろしく」はキャビンアテンダントをイメージした衣装が新鮮で(PASSPO☆風にも見えますが)可愛さ全開。MUSIC VIDEOで見るべき楽曲と言えそうです。「暗闇求む」は研究生含むメンバー全員参加というのがポイント。ただ夜の砂浜での撮影と衣装のデザイン・色とのバランスが取れていない印象。欅坂46ほど完璧にシンクロしていない緩めのダンスもNGT48らしい(誉め言葉です)。欅坂46は見ていて肩に力が入ってしまい疲れてしまいます。そしてショートムービー仕立ての大作になった「出陣」は、不思議と本人の個性が生かされたキャスティングという印象で、全体の作りや流れはNGT48らしくはないのですが、妙に説得力のある映像になっていました。出演しているメンバーも殆どセリフのない演技を上手くこなしていて感心させられました。
特典映像として収録されているメンバーそれぞれのPVは、映像作家と組んで撮影されたショートムービーであり、推しのいるファンにとっては非常にうれしいものでしょう。一方で推しのない私のような者には個別のメンバーの個性の理解に役立ちました。人数が多い分収録時間もたっぷりで充実感があります。
NGT48CD盤には今回発表された6曲全てが収録されているので、複数枚購入に慣れない方はこれ1枚の購入で良いのもバランスが取れています。MUSIC VIDEOについては今後テレビの音楽番組でもオンエアされるでしょうから、それを待って構わないでしょう。
AKB48グループとはいえ、基盤となる新潟市は地方都市で、人口規模も今までのグループと比較して小さいので、売り上げについては不安視する声も上がっていましたが、初日で127,293枚、2日目の売り上げを合わせて14万枚を超えたのは十分合格点をあげられるでしょう。これも販売日に向けた徹底的なプロモーション戦略が功を奏したといえるのではないでしょうか。
昨日までの私の日記を見てもらってもお判りでしょうが、様々な媒体への露出はグラビアであったり、インタビュー記事であったり。そのインタビュー記事もボリュームたっぷりですし、メンバーの受け答えもしっかりしています。メンバーは数人のグループに分かれて手分けして全国のCD販売店を訪問して回り。新潟に戻ってきたのは発売前日の午後遅く。一部のメンバーは夜遅くの新幹線で新潟に帰ってきました。新潟に残ったメンバーはもちろん地元の放送媒体に出演してアピール。そして多くのメンバーがSHOWROOMを使ってデビューのアピールを行っています。
こういったプロモーションの結果が売り上げにつながっているわけで、Negiccoの運営側も十分に参考にしていただきたいと思います。Negiccoはこの2カ月ほど目立った活動が少なく、特に全国に向けてのアピールが決定的に不足しています。地元の新潟に住んでいればこそ、数多くのCMに触れ、メンバーが出演するローカル番組や、地元のイベントのニュースを見ることが出来ますが、新潟県以外へのNegiccoとしてのアピールは何もできていないといってよい状況です。そんな状況の中でNGT48が全国デビューを果たし、今後は全国ネットの番組でも見聞きする機会が増えていくものと思います。今回発売された新曲のうち4曲にMUSIC VIDEOが作られているのも大きいです。MUSIC VIDEOがなければ映像媒体で取り上げられる機会は与えられません。映像媒体で取り上げられてこそ全国に知られるチャンスが増えるのです。Negiccoはこの点でもMUSIC VIDEO化されていない作品が多いというハンデを抱えています。NGT48ほど予算を掛けることはできないでしょうが、カップリング曲のクオリティの高さは保証付きなのですから、今後すべての楽曲のMUSIC VIDEO化は全国アピールに向けての最低限の条件になるでしょう。例えばNegicco自身が自信を持って常にライブで披露している「さよならMusic」に、映像媒体でのオンエアの機会のないのは残念なことではありませんか。せっかくの成功例が目の前にあるのですから、Negiccoの運営には是非参考になるプロモーションを研究して取り入れていただきたいと思っています。いつまでも全国アピールがサトウ食品のCM頼みではいけません。女性アイドル(女性ヴォーカルユニット)としてもっと全国にアピールして欲しいというのが私の願いです。