昭和世代の私にとって「ジャケ買い」という言葉は当たり前に普通の言葉ですが、平成世代と呼ばれる年代には意味が通じないかもしれません。現在、音楽作品の流通は配信がメインとなり、CDの流通もかなり少なくなってきています。日本の場合は特殊で、まだCDが売れている方ですが、海外ではCDの流通はほとんどなくなってきているように思います。その日本でもCD販売店はタワーレコードや新星堂などの大手のチェーン店しか見られなくなっているのです。で、ジャケ買いの対象はレコードなので、現在はほとんど実行できていません。
ジャケ買いとは正式にはジャケット買いといい、レコードを購入する際に収録枯れている音を聴かずに、ジャケットのデザイン、国内盤の場合はジャケットに掛けられているたすきを頼りに、収録されている音を想像して購入するというものです。CDでも可能ですが、ジャケットが小さいので想像力をあまり掻き立てられません。病気の影響がなく足の状態が悪くなかった頃は、年に1回は上京して西新宿の輸入盤屋さんを回って大人買いをしていましたが、輸入盤にはたすきも掛かっておらず、まさにジャケ買いの醍醐味を味わうことが出来たのでした。幸いにも私の好きな音楽ジャンルがプログレ系ということもあり、ジャケ買いのヒット率はかなり高いものであったように思いますし、音を聴いた際の満足感もひとしおでした。
このBLOGでは「今週のSpotifY」というタイトルで記事をアップしていますが、見出しにジャケ写を使用しているのも同じ理由からです。
実は書籍にもジャケ買いといえるものがあります。書籍の場合は「装丁買い」というのが正しいのかもしれません。最近ではAmazonを利用しての書籍購入や電子書籍の普及もあって、実店舗の書店が絶滅危惧種のようになってきていますが、書店の棚に平積みされている主に単行本がジャケ買いの対象になります。書店に行くのが好きだという人はおそらく全て書店で平積みされている単行本の装丁を見て回るのが好きなんだと思います。単行本の装丁に加えて帯に書かれた推薦文などを眺めて歩く楽しみは得難いものですので、これ以上書店の実店舗には減ってもらいたくないですし、店舗を歩いて回れるようにこれ以上歩行状態が悪くならないように願っています。