情熱大陸「アイドル・小倉優子」

このような形で番組に取り上げられるようになれば彼女のキャラクター戦略は大成功といえるだろう。
「ムカツクけど可愛い」「ウザイけど可愛い」と街の女の子たちが言う。誰もが彼女のキャラクターを単純に否定できなくなってきている。
グラビアの撮影はほとんどが水着姿、それもビキニ。その姿になるのには躊躇もないがエロスもない。どんな格好であろうと小倉優子がそこに存在するだけ。カメラマンは「撮らされている気がする」と呟く。
「舌っ足らずなもの言いだが頭脳明晰」との業界内の評判だという。舌っ足らずな割りには聞き取りやすい声質でレギュラーで吉本の舞台にも立つ。芸人達のいじり倒しをも苦にしない強い彼女がそこにはいる。
「小倉優子にはアーティストを気取らない潔さがある」という業界すずめ。確かに歌は潔いが、歌は彼女に緊張を強いているようだ。歌にはファンタジーが通用しないのだ。何度も歌いなおして収録を乗り切る姿は見せたくなかったのかもしれない。
彼女のファンは「ファンとの間の垣根が低い」という。彼女はファンのそんな想いを裏切らない。
故郷の茂原ではファンタジーの世界から一歩現実の世界へ足を踏み入れた、地に足のついた彼女の姿を見ることが出来た。道をショートカットすることなく歩道を遠回りする彼女の姿は言葉なく彼女を物語る。
21歳になった彼女はこの世界が永遠に続くとは考えていない。ただ、今はプロのアイドルとして仕事に向かい合っている。
（番組内容にあわせて文体がいつもと変わっています）