その16 おたく第一世代(その2)

岡田氏言うところのおたく第一世代にあたる私の世代の特徴は、関連知識欲の塊であるというところだと思います。私たちが育った時代はSF小説にしろ、マンガにしろ、アニメにしろ作品の量と情報には限りがありました。現在のようにあらゆるジャンルで作品と情報が氾濫してはおらず、私たちは興味を持ったジャンルに留まらず関連ジャンルの情報までも追い求める欲求と時間に恵まれていたといえるでしょう。当時はおたくの必須アイテムともいえるビデオ等の登場にはまだ間がありましたが、第一世代の知識と情報に対する欲求は、例えばアニメファンの場合手元にあったラジカセとカメラにより映像情報の取得を行なわせました。SFファンの一部は刊行の遅い翻訳ものに満足せず、自ら洋書を取り寄せて読む努力を惜しみませんでした。そしてひとつのジャンルに留まらず次から次へと関連ジャンルに興味の目を向けていったのです。現在のように情報と作品が溢れている状況では無理だったと思います。インターネットも存在しない時代、情報というものはパソコンの前に座って得られるものではなく、足を棒にして書店を回ったり、図書館を回ったりして得られるものだったのです。おかげさまでおたく第一世代には博覧強記と呼ばれる者が溢れかえっています。私の周りにもそんな友人が多数存在しました。私も腐っても第一世代のおたくなので引出しはたくさん持っています。今後も小出しに引出しからネタを取り出してオタ話を書いていこうと思いますのでよろしく。