徳川家の将来を見据えた会話が碁盤を挟んで夜な夜な篤姫（宮崎あおい）と家定（堺雅人）の間で交わされているのが見ていて楽しい。薩摩の斉彬（高橋英樹）の命を受けて徳川家の御台所となった篤姫でしたが、家定との愛を育んでいく中で徳川家のことを第一に考えていくようになりました。家定も「初めて徳川将軍家を守りたいと思った」と語り、徳川家の家族としての篤姫を大事に思う心を素直に表に表します。家定は大老を井伊（中村梅雀）に、世継ぎを慶福（松田翔太）に決め、未だ若い慶福を篤姫に補佐させようとの考えを言葉にして篤姫に聞かせます。家定は自らに残された時間が少ないことを自覚していて、自分が逝ってしまった後も篤姫が政事（まつりごと）にたずさわることができるようにという配慮からでしたが、ニ人の愛の形が昇華されたかのような展開と演出はラブストーリーとして出色の大河ドラマとして次週最初のクライマックスを迎えそうです。
