女子フィギュアの銀メダル

浅田真央バンクーバーオリンピック女子フィギュアスケートで銀メダルを獲得。トリプルアクセルを2回とも成功させたのは素晴らしかったのですが、演技の中盤でのトリプルジャンプでジャンプする前にエッジを引っ掛けてしまい、シングルになってしまったことが尾を引いて、大技はなかったもののそつ無く演技をこなした韓国のキム・ヨナの得点を上回ることは出来ませんでした。しかしながら銀メダルと、冬季オリンピック史上初のトリプルアクセルの成功は素晴らしい結果でした。
それにしてもキム・ヨナの得点です。彼女の演技は確かに安定感があり素晴らしいものでした。ただ今回の演技が世界最高得点を叩き出す内容であったかどうかは大きな疑問があります。彼女の演技自体が完璧なものではなく、中盤でのトリプルをダブルに変更するなど、いくつかの減点要素があったにもかかわらず、圧倒的な世界最高得点が与えられるのは困りものです。今回のようにそつ無くこなした演技で、浅田真央が見せた技術的挑戦の要素を組み入れた演技を大きく上回る得点を得られるのであれば、誰も難しい技にチャレンジしなくなり、技術の成長は止まってしまいます。フィギュアスケートはあくまでもスポーツであって芸術ではないはずです。技術の発展を追求せずしてフィギュアスケートの発展は考えられないと思うのですが。キム・ヨナの演技は記録として残るものではありましたが、果たして記憶に残るものであったでしょうか? 逆に浅田真央の演技は間違いなく記憶に残るものだったと思います。彼女の成長にはまだまだ先があると期待させてくれる演技でもありました。今回の銀メダルは十分に誇りに値するメダルです。