星海銀のセカンドライフ その39 ドラマと既視感(Déjà Vu)その5

1リットルの涙

医療がテーマのテレビドラマは最近では病院が舞台となるものが多いのですが、難病や死に至る病をテーマとしたドラマも以前はそれなりに存在しました。現在も映画では結構テーマとして選ばれているようです。私がこれからも共に歩んでいかなければならない脊髄小脳変性症をテーマとしたドラマもありました。2005年に沢尻エリカさん主演でフジテレビ系で放送された「1リットルの涙」です。15歳という若さで脊髄小脳変性症を発症してしまった少女が亡くなるまでを描いたドラマですが、この病気は彼女のように若くして発症するのは珍しく、40~50代で発症することの多い病気です。私の発症が確定したのも50代後半でした。小脳、脳幹、脊髄が徐々に萎縮してしまう疾患であり、箸がうまく持てない、よく転ぶといった症状から始まり、進行するにつれて歩けなくなったり、字が書けなくなったりする。最終的には言葉も話せなくなり、寝たきりになり、最悪の場合は死亡する疾患です。ただ、大脳は正常に機能するため、知能には全く障害がないので、体が不自由になっていくことを自分自身がはっきりと認識できてしまうのです。比較的に病気の進行が緩やかなので、長い期間を掛けての闘病となるのですが、若くして発症した場合はやや進行が速いようです。ドラマでは描かれませんでしたが、実はこの病気の最も恐ろしいところは遺伝するということなんです。実際に私の母が同じ病いで20年以上の闘病の後に亡くなっていますし、母の兄弟である伯父と叔父、さらにはその子供、つまり私の従弟も同じ病気を最近発症しました。平均的には5割の確率で遺伝するということですが、私の一族の場合は非常に高率で遺伝したようで、50代になった親族は全員発症しています。もちろん、甥っ子や姪っ子で発症した者はいませんが、皆まだ20代ですので翔らはどうなるかと心配でなりません。ということで、難病もののドラマは実感があり過ぎてついつい没入して観てしまいます。
次回はテーマを変えて学校・教育ドラマについて語ってみたいと思います。