新潟にプロ野球球団設立について その3「県知事選挙について(2)」

これまでも様々な選挙に係わってきた池田氏ですから、今回の新潟県知事選挙においても選挙戦に係わることが期待されるのは当然でしょうし、それを期待する候補者は今までの選挙でも繋がりのあった自由民主党系となるのも当然のことであると思います。
もちろん今までの流れもあって選挙協力を拒むことは池田氏の選択肢にはなかったでしょう。それに加えて今回は知事選ということで、池田氏にとって選挙協力は大きな意義をもっているのです。池田氏が理事長となっているNSGグループ(学校法人新潟総合学院、学校法人国際総合学園)に属する専門学校は、県知事の認可を受けて教育事業を展開するものであり、県の文書学事課がその窓口となっています。したがって、池田氏にとっては今までに係わってきた選挙と較べても、最も応援すべき意味合いの強い選挙であり、それが為に選対部長の役までも引き受けたのではないでしょうか。
更には新潟県の財政が逼迫しており、県立野球場の建設凍結問題が持ち上がっている現状では、同じく県営であるアルビのホームスタジアム「ビッグスワン」の使用料優遇措置についても、誰が知事になるかでその扱いが変わる可能性もあります。
各候補者の方針については、「しん日記」さんがこの点を新聞記事からピックアップして上手くまとめてくださっています。
http://blog.livedoor.jp/stdio96/archives/7782111.html

 ◆質問4=プロ野球チームを県に誘致するか――。
 誘致に積極的なのは、小林氏と泉田氏、宮越氏の3人。
 小林氏は「野球場の建設と併せて実現できるよう積極的に努力する」、泉田氏は「全面的に賛成。誘致セールスの先頭に立つ」、宮越氏も「積極的に誘致に乗り出す」と回答した。
 また、将来の検討課題としたのが、川俣氏と多賀氏、伊藤氏の3人。川俣氏は、「財政改革が軌道に乗るまで県立野球場の建設を凍結せざるを得ないため、改革の推移を踏まえて取り組む」、多賀氏も「負担の少ない手法による県立野球場の整備を検討し、招へいを議論する」、伊藤氏は「最優先課題は財政再建で、誘致のための野球場建設は非現実的だが、中長期的には賛成」との考えを示した。

もちろん、地元の建設・土木業界は大型公共事業の見直し気運に危機感を持っており、選出される県知事によってそれが大きく左右されることも認識されていて、その思いを応援する候補者とともに池田氏に託した部分も間違いなくあるでしょう。
応援を引き受けた(それも選対部長)からには候補を当選させなければなりません。選挙活動は大きく分けて、有権者への直接的な呼びかけと支持組織の取り込みの二つがあるかと思いますが、その中でも支持組織の取り込みを考えたときに、池田氏の肩書きであるNSGグループ理事長とアルビレックス新潟社長を天秤に掛けた場合に後者のほうがアピールできると考えたのでしょう。
ただ、それが企業に対するアピール効果の高さに反して、アルビサポーターの機嫌を損なうものであるにまでは考えが及ばなかったようです。以前の選挙に際しても、アルビサポーターはアルビの試合にあわせてビッグスワン周辺で選挙演説する候補者に対しては「あざとさを感じる」と冷たい視線を送っていました。アルビに協力的だった吉田六左ェ門氏ですら、それをアピールしすぎたためかサポーターから総スカンを喰ってしまったあげくに落選するという結果になっています。
今回の県知事選挙は6人の候補の誰が本命ということが出来ない状況で、そんな中にあっては4万人を超えるアルビサポーターの意思は大きな影響力を持ちます。池田氏は果たして彼らの意思を理解し、逆に自らの思いや主張を理解してもらうことが出来るのか、残りの選挙戦を注視していく必要があるでしょう。
明日は新潟県の野球場事情について触れてみたいと思います。