二枚舌は困りもの

巨人が週刊文春を虚偽事実の掲載で提訴しました。
http://www.asahi.com/national/update/1007/035.html

プロ野球の巨人球団は7日、IT関連企業楽天プロ野球参入を巡る「週刊文春」の記事に虚偽の事実が掲載されたとして、発行元の文芸春秋と「週刊文春」編集長を相手取り、慰謝料3000万円などを求め、東京地裁に提訴した。

 巨人球団広報部は、週刊文春に掲載された「巨人の球団幹部が9月14日に楽天三木谷浩史社長と面会し、球界参入を依頼した」などの記載は事実無根だとしている。記事の取り消しなどを求める抗議書を送ったが、誠意ある対応が得られなかったため、提訴したという。

巨人の提訴した内容を問題にするわけではありません。ありそうなことだなとは思いますが、問題はそれに対する週刊文春側の反論です。以前の日記で問題としていた部分なので採り上げます。

週刊文春・鈴木洋嗣編集長のコメント> 記事は事実です。読売巨人軍の司法頼みの姿勢にあきれる。思うがままにならない球界再編劇に、いらだった訴訟ではないか。

以前、元外相の田中真紀子の娘のプライバシーに関する記事での販売差し止め騒ぎの際に、週刊文春は自らの正当性(表現の自由言論の自由)を主張する中で、記事の掲載された雑誌が発行されることによって、記事にされた当事者が名誉毀損やプライバシーの侵害を受けたと考える場合もあるかもしれないが、その場合も提訴することによって名誉を回復することが可能とする論を展開していましたが、その司法への訴えすら「司法頼みの姿勢にあきれる」とコメントされてしまっては、その二枚舌に呆れるしかありません。
などと書いていたら、また名誉毀損の訴訟に敗訴ですか。
http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/shakai/20041008/20041008a4910.html

週刊文春の記事や広告で名誉を傷つけられたとして、タレントの西田ひかるさんが発行元の文芸春秋(東京)と同誌編集長に約2400万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は8日、110万円の支払いを命じた。

訴訟で勝利しても名誉が完全に回復されるわけではありません。なんとか完全に回復する方法を考えるのも報道する側の義務だと思います。