ガリレオ 最終回

草薙(北村一輝)からの連絡で、自然公園で発見された射殺体と、龍仁湖で起きた爆死事件の被害者がいずれも木島の会社の社員であることを知った湯川(福山雅治)は、かつての恩師・木島(久米宏)を訪ねます。湯川は、2人の被害者が中性子線を被爆していたことから、中性子を 100%反射する幻の合金レッド・マーキュリーの研究を今でも続けているのではないかと疑っていたのです。レッド・マーキュリーは軍事利用も可能な素材で、湯川も帝都大の教授だった木島の下でその研究をしていたことがありました。湯川の研究室で薫(柴咲コウ)は、栗林(渡辺いっけい)から湯川と木島の過去の繋がりについて聞かされます。栗林は木島が湯川の告発によって大学を解雇されたのだろうと考え、これ以上木島に関わらせるべきではないと薫に訴えます。その話を重く受け止めた薫は湯川を避けるようになります。その夜、薫の元にやって来た湯川に迷惑をかけていることを反省して避けようとしていたと答えます。それに対して湯川は、これ以上薫には関わるのはやめるが、今回の事件の謎は自分の手で解明すると宣言します。その翌日、木島の秘書・京子(本上まなみ)が、ふたつの事件は自分の犯行だという遺書を残し、藤川を射殺したのと同じ銃で自殺しているのが見つかります。薫はその死に疑問を抱き、弓削から離れて事件の真相を暴こうと走り回り、栗林は湯川に早く仕事に戻ってほしいという思いから龍仁湖に赴いて情報を収集します。そして湯川は逆転の発想で木島が2人を殺したのではなく、藤川が梅里を爆殺し、木島とは刺し違えようとして逆に射殺されたのだと気付きます。湯川の研究室で彼を待ち受けていた木島は推理を披露した湯川を褒め、研究室に運び込んだレッド・マーキュリーの完成品に括り付けられた薫を見せ付けて、解除方法を見つけ出して薫を助けてみろと言い置き去っていきます。まあ、湯川が解除方法を解明して薫を助けてハッピーエンドというのは明白なだけに、演出にもほとんど緊迫感がありません。薫のテンぱり具合が滑稽に見えるぐらいに盛り上がりません。挙句の果ては最後にカットするリード線の色を薫の勘に任せるという演出は、原作がどうであれ納得のいくものではありません。最後まで湯川らしく理詰めでいって欲しかったものです。
美術スタッフのセンスのなさは見事で、どう見てもレッド・マーキューリーの拘束具から簡単にすり抜けられるように見えてしまいます。それよりもあんなでかい装置を誰の助けを借りて運び込んだのかが解除方法よりも謎だったりしますね。表面的ではあっても理詰めを原則とするドラマで、理に敵わない演出は興を削いでしまいます。