タイヨウのうた 最終回(一昨日放送分)

XPの症状が進み呼吸障害を起こした薫(沢尻エリカ)は、このままでは発作が起こったときに命の保証は出来ないと気管切開を求める医師の言葉に逆らって歌うことを続けようとします。麻美(松下奈緒)のコンサートの場を借りてデビューすることになった薫たちのムーンチャイルドですが、ステージ直前の控え室で発作を起こしてしまい、ステージへとせり上がる台の上で遂に歌うことなく逝ってしまう薫。病と闘い夢をまっとうしようという強い意志はあったものの、仮初めの勝利も掴むことができなかった薫の姿を見せられるのは辛いものがありました。死後にCDが発表されることになってもそれが救いとはなりません。
最終回は駆け足で駆け抜けてしまった感じで、これでは反則でしょう。呼吸障害の発症から死までを最終回だけで表現するのには無理があります。重いテーマであるべきものが軽く扱われたような感じで残念。XPとの闘病の表現も完全に書き込み不足で、これではいくらなんでも実際にXPと闘っている患者の皆さんに失礼ではないでしょうか。ドラマにおいて表現すべきもののウェイトバランスが全く崩れてしまっています。テーマがテーマだけにCDの売上が好調でメディアミックス的には大成功というような終わり方は残念でした。長い闘病の末に逝ってしまった叔母を見送ったばかりでしたから。