漫画原稿流出事件

竹宮恵子先生や、水野英子先生、巴里夫先生が竹宮先生の原画展で、今回の事件のことを知り、京都精華大学の研究スタッフとともに驚き、怒りを示されたそうですが、こういった話を耳にすると少々情けなくなってきます。
事件が明るみに出てからもう2ヶ月です。その間、マンガジャパンという組織の協力を得ることも出来たのにもかかわらず、いまだに多くの漫画家が事件を知らないというこの事実は、漫画家の横のつながりのなさを如実に語っています。
原稿の所有権に絡む今回の問題は、間違いなく漫画家全体に関わるだけに留まらず、出版界、古書業界をも巻き込む大きな問題に発展させた上で、今後の漫画原稿の扱いについて意識統一を図らなければならないのに、この当事者感覚と危機感の欠如は第三者として不安です。
せめて、漫画家の皆さんだけでも蜂の巣をつついたような騒ぎになってほしかったのですが、あまりにも静かな動きで、先頭になって活動されている渡辺先生や川島先生、桜井先生の苦労が偲ばれます。