漫画原稿流出事件

昨日予告したように、「善意の第三者」について書いてみたいと思います。
まんだらけの行いを擁護される方々は、まんだらけは善意の第三者なので、今回の事件に関してなんら非難されることはない。と誇らしげに「善意の第三者」という言葉を使われています。
善意の第三者については、守る会の掲示板などでも法律に詳しい方々が、様々な考察を加えられているように思いますが、法律に詳しくない私のような者から見た「善意の第三者」はどのようなものなのでしょうか。
「善意の第三者」は法律用語なのだそうです。
「善意」というのは法律上ある事実について「知らないこと」を意味するのだそうで、今回の事件に関して言えば、さくら出版の元社長である西池氏が持ち込んだ原稿について、西池氏が不法に取得した原稿であることを知らずに買い取ったということでしょう。
つまり、善意の第三者という言葉を使用する場合は、原稿が西池氏によって不法に取得されたものであるということが前提となります。
まんだらけ擁護側も、原稿が不正流出品であることは共通認識としてもたれているのでしょう。
ただ、古川社長だけは「警察が被害届を受け取ったら」と発言しているためか、「善意の第三者」という表現は使用していないようです。
この「善意の第三者」は本来、専門的知識や情報に疎い一般的な購入者を保護するのが目的だそうですが、まんだらけの古川社長ははたして、漫画原稿について専門知識や情報に不足していたのでしょうか。
西池氏が漫画原稿をまんだらけに持ち込んだ際に把握できたであろう情報を整理してみましょう。
・持ち込んだのは西池氏本人。
 古川社長と西池氏は以前に漫画家と担当編集者であったという関係もあり顔見知りである。
・持ち込みは数ヶ月に渡り、5・6回に分けて行われた。
 段ボールに入れて持ち込まれたとのこと。
・漫画原稿はさくら出版の社名入りの封筒に入ったものがほとんど。
・原稿の入手先は複数の編集者であると西池氏が持ち込みの際に言っている。
 複数の編集者から入手したとされる原稿は全てさくら出版のものである。
・持ち込まれた原稿はトータルで約3000枚にも達する。
 この数字は社長が毎日新聞に対して述べた数字であり、実際にまんだらけが扱っていたさくら出版関係の原稿は4000枚は確実に超えている。

更に、この時点でまんだらけの社長が持っていたと思われる専門的知識で明らかなもの。
・漫画原稿は通常流出することはまずないが、出版社サイドの手違い、作者の不注意、印刷所の管理の手落ちが主な原因として流出することがある。それぞれのケースに色々な事情が加わって、まんだらけに持ち込まれる。(1995年発行の「まんだらけマンガ目録8」の質問コーナーへの社長の回答)
 つまり数千枚もの原稿が通常流出するはずがなく、流出原稿のほとんどは作者の意思に反するものであることの認識はもっている。

以上の情報をもとにして、まんだらけは「善意の第三者」であるとの擁護派の主張は、私には理解できないものなのですが、結論は読んでいただいた皆さんが判断してください。
反論されるも良し、間違いを指摘してくださるのも良しです。

ただ、「善意の第三者」についてはもう少し書きたいことがあるので明日も続けます。