週刊文春徹底検証号その3

昨日と同様『 』は記事からの引用文です。
文春本誌の検証記事よりも目立っていた立花隆氏の緊急寄稿ですが、「これはテロ行為である」とタイトルからして思いっきり煽っています。
憲法が保障する言論・出版の自由に対して国家の側が加えてきたテロ行為である。』
であれば、雑誌をはじめとしてマスコミが公人・私人の区別なく、報道に名を借りて名誉の毀損やプライバシーの侵害を繰り返してきたことは、無差別テロに等しいと思われるのですがいかがでしょう。
『言論・出版の自由は、基本的に国家が奪ってはならない権利である』
間違ってはいないが、自由を行使する者はそれに付随する責任を負うべきなのです。残念ながらマスコミは今までその責任を果たしてきたとはいえません。自分の権利は主張しながら、記事の対象とされる者の権利は都合の良い解釈により軽んじられてきたのです。
プライバシー権憲法13条)と表現の自由憲法21条)は、憲法上対等の重さを持つ権利ではなく、表現の自由(言論・出版の自由)のほうが、圧倒的に優越的な権利だということだ。それは憲法上の文言上からも明らかなのである』
これも間違ってはいないと思いますが、『圧倒的に優越的な権利』などと恣意的な表現を使用するのはいかがなものかと・・・。
あまり恣意的な表現を使用すると、都合の良い結論に導くための方策のように見えてしまいます。
真紀子氏の長女が純粋私人などではありえない具体的根拠として、
『02年8月9日に、真紀子が突然議員辞職したときに「当時は真奈子さんの後継説も一部で出ていました」という地元記者の発言が紹介されている。これこそ具体的根拠そのものといえよう』
としているが、なぜこれが具体的根拠となるのか理解できません。伝聞情報が具体的根拠になりうるとは到底思えません。そうでなければ「噂があった」とするだけで、どんな純粋私人をも公人に擬制することが可能となります。結局はマスコミのやりたい放題で構わないんだという論調でしかないわけで、プライバシーの尊重に対する配慮などいらないという考えかたなわけです。
まあ立花氏も、わざとらしく一見異様な伏せ字を連発するという、子供じみた原稿の書き方をする程度の論客に過ぎないことを世間に知らしめる寄稿文でした。

※[時事]はてなダイアリーを文春キーワードで巡っていて拝見しました。
法律的に弱い私よりもはるかに深い文春徹底検証号へのコメントです。
これ見ちゃうと明日以降に予定していた他の応援原稿へのコメントが付けにくいです。
・swan_slabの雑記
http://d.hatena.ne.jp/swan_slab/20040328