漫画原稿を守る会跡地

8月28日の日記でも触れたすがや先生の日記の怒りの2行ですが、あれは過去形の話だと思っていたのですが現在進行形だったのですね。だからこその最後の2行だったわけです。
今回の事件や守る会の閉じる際のゴタゴタなどで、漫画家の常識のなさを嘆く方も多くいらっしゃいましたが、常識だけでなく礼儀も知らない方が多いようです。
守る会の掲示板の公開を「守る会の恥」を晒しているとして止めるよう要求してくる漫画家。「守る会の恥」ではなく自制心のない漫画家の書き込みが恥を晒しているだけです。個人サイトの掲示板の削除ならまだしも、守る会のような公の掲示板の削除や公開停止を「お願い」するのではなく「要求」する勘違い。礼儀も常識も失しています。
渡辺先生の裁判結果の報告についても、礼を尽くしてのメールやFAXに対して感謝の言葉どころか、ねぎらいの言葉すら返さない漫画家たち(ほんの1・2名の方を除いて)にも礼儀という言葉は存在しないようです。
ご自分のサイトであれほど事件について熱く書き込んでいた漫画家の皆さんを始めとして、まんだらけの非道に憤りを感じていたサイトの皆さんも、ほとんどが熱き思いを忘れてしまったかのように沈黙しています。
そして、漫画原稿の所有権や扱いについての業界としての統一した認識への動きは全く見えてきません。
漫画家の皆さんは本当に事件から何も学ぼうとしないのでしょうか。
このままでは腹が立ちますが、まんだらけ古川社長の見解
〜今は亡きまんだらけ社長室の目安箱(発言NO.119)より〜

私が最大の原因と考えているのは、
漫画家の怠慢・・これが一番の原因と考えています。
この辺りは相当漫画家の方達から反論が来るかも知れませんが、あえて今言わせていただきたいと思います。
実は単純に「漫画家の怠慢」でもないのです。
そこには非常に巧妙に操作されたカラクリがあるのですが、まあそこまで申し上げなくても、もう少し現代の漫画家さん達には独立心の自覚と、本当に原稿が大切な物ならば、そういう風に原稿を扱う意識が必要だと思うのです。
今の日本のマンガ・アニメは多くの優秀な漫画家、編集者、読者によって築き上げられて来ました。
そこには編集者と漫画家の絶妙なコンビネーションがあったことも事実です。
しかし今日に至って、出版社(編集とはまた別)は大切なコンテンツ製造者である漫画家さん達を独占するために様々な手管を用意しています。
私はそれは企業がやることですから別にどうこう言うつもりはないのですが、ただそこから派生する多くの矛盾に皆さんが気づいていなくて、しかもそれがこれから世界に発展して行こうというマンガ・アニメ文化を阻害している事がどうにもがまんならないのです。
このまま話し続けると、版権問題や新刊が売れない問題(新人漫画家が食えない問題)に話題が移行してしまいますので、少しお話を戻しましょう。
出版社が漫画家さんの原稿をお預かりしたならば、預かり書を発行すべきですし、漫画家の方達もキチンとした契約を結ぶべきです。
「いやもう長い付き合いだし出版社に全部任せてあるから」
そうおっしゃるなら出版社が原稿をどうしようと文句は言えないはずです。
一般社会人なら当然そうあるべきではないでしょうか。
どこかの出版社の新人賞を取ったばかりの漫画家さんなら、いやいや新人賞をとれば立派なものですから、そうではなく編集者さんのお情けで、たまたま穴があいた所の埋め原稿でデビューしたという新人さんならいざ知らず大家、大御所といわれるような方達なら堂々と出版社とそうした契約は交わせるはずですし、そうすべき社会的な義務(漫画家のステイタスの向上という意味からも)があると思うのです。
ところが実際はそうしたずさんな原稿管理をしておいて、返却されなくても、なくなってさえも騒がないでおいてですね、
まんだらけが売っていたんだと、とんでもない奴だ!盗っ人め!」
では私達はうかばれません。

を肯定することになりかねないと思うのですが、漫画家の皆さんはそれでよいとお思いなのでしょうか。
最近のプロ野球の再編の動きに際しての球団オーナーの認識と同様に、多くの漫画家の認識が漫画ファンの認識と大きくずれてしまっているように思われて残念です。