その13 ビデオデッキの孤独死

このオタ話は私のプロフィールの詳細紹介も兼ねてますので初めての方は最初から読んでみてください。
今朝、ハイバンドベータのビデオデッキが孤独死しているのを発見しました。土曜日は燃えないゴミの回収日ということで、有料化する前に不要なビデオテープを毎回50本以上を目途に捨てることにしているのですが、整理しようとしたテープの中に気になるベータのビデオテープがありました。既にその段階でいやな予感がしていました。なぜならばビデオデッキにテープを入れたままであることを思い出していたからです。ベータのビデオデッキはVHSと違ってテープを入れると、再生スイッチを押さなくてもテープをヘッドにローディングします。つまり私のビデオデッキはテープをローディングしたままおよそ1年間放って置かれたままだったのです。デッキの電源を入れてテープの取り出しスイッチを押しますが、かすかなモーター音はするものの何の変化もありません。私の予想通りデッキは人で言うところの嚥下障害を起こし、テープを喉に詰まらせて事切れていたのでした。ベータビデオは世間ではVHSとの戦いに敗れて早々と引退しましたが、私の家ではD−VHSのビデオデッキがやってくるまではバリバリの現役でした。しかしD−VHSの登場とともに閑職に追いやられ、DVDハードディスクレコーダーが部屋に納まると遂にリストラされ職を失ってしまったのです。その後は思い出されたかのように電源を入れられる以外は所有者である私からも忘れられた存在になってしまい、人知れずテープを喉に詰まらせて生涯を終えることになってしまったのでしょう。残念で仕方ありませんが、大量に残された子供(録画済テープ)達のことを考えると悲しんでばかりもいられませんので、モスポール保存しておいた予備のベータビデオを復活させることにしました。
ちなみに今年、私の部屋ではレーザーディスクプレーヤーも孤独死しています。AV機器が天寿を全うすることができないことが多いのも保存フォーマットが次々に替わっていってしまうことの弊害かもしれません。おかげで我が家には行き場を失ったLPレコード、カセットテープ、レーザーディスク貝塚のように積まれ、部屋の一角を占領してしまっているのです。音声・映像フォーマットの変換はこれからも続く(既にSVHSのテープが入手困難になってきていますし)ものと思われますので、同じような不幸が今後も繰り返されることになるのかとため息が出てしまいます。