私のオタク遍歴 その22 大学生時代編4

書店の奥さんの体調が回復し、いくらか仕事もこなせるようになると、私も大学通学を復活させました。それでも書店で過ごす時間は多くなり、大学の講義終了後は書店に直行して夕食時まで過ごすということが多くなりました。ということで、書店のご主人と奥さん、そして私の3人交代でレジに立ち、残りの二人は奥の休憩室でテレビを見ながらおしゃべりして過ごす毎日が続くことになりましたが、ある時から仲間が増えることとなりました。
仲間になったのはけがをした野良猫でした。ある日大学帰り道に書店によると、奥の休憩室に奥さんと一緒にちょこんと座っていました。茶トラの雌猫でお腹が変な形に飛び出てました。奥さんの話によると、今朝店の前で倒れているのを見つけて動物病院に連れて行ったそうですが、どうやら車にはねられたようで、骨折などの外傷はなかったようなのですが、はねられた衝撃で腸の位置がずれてしまったらしく、お腹の皮が膨れたような体裁になっていたのです。妙に人慣れしている感じの猫だったので、野良ではなくどこかの飼い猫だったのかもしれません。暫く店において問い合わせがないか様子を見てみるということだったのですが、結局飼い主ら言い方は現れることなく、私も大学卒業して東京を離れることになるまでこの猫とご一緒することになるのです。書店のご夫婦にはお子様がいらっしゃらなかったので、この猫をちーちゃんと名付けて子供のように可愛がることになりました。