私のオタク遍歴 その21 大学生時代編3

書店のご夫婦の住居は千葉県にあり、店には通ってきていました。奥さんの入院中は開店の作業から手伝ったのですが、シャッターの閉じた店の前にはすでに書籍取次からの荷が届いており、ご主人がシャッターを半開きにして店に入ると、店頭用の雑誌スタンドなどを見せの通路から出して配置し、配送された荷をほどきます。配送される荷の段ボールはその日によって数が異なりますが、中にはその日発売の雑誌と書籍、そして発注した書籍が梱包されていますので、伝票と照らし合わせてから棚や台などに陳列します、ちなみに取次からの配送業者は、荷を配送するときに前日に用意しておいた返本の入った段ボールを回収していきます。準備が終了すると開店です。半開きだったシャッターを全開にするのが開店の合図です。
店の奥には3畳ほどのスペースがあり、流し台とコンロもついているので、冷蔵庫を置いてテレビとテーブルを設置し休憩スペースとして使っていました。レジにはひとり分のスペースしかないので、残りの人間は店の奥の休憩スペースで時間を過ごすことになります。私も開店前の作業をご主人と一緒にした以外は、交代でレジに立ち、休憩スペースでテレビを見ながら落ち着くという毎日でした。私もレジに立ちましたが、マンガに関する知識はご主人よりも多かったため、子供たちへの対応は私が中心となりました。中にはマンガのタイトルが分からず、主人公の名前やストーリーなどの断片的なヒントしかなかったりするのですが、そこから希望しているマンガのタイトルを当てて喜んでもらっていましたが、当時は今と違ってマンガの媒体や種類も限られていたのと、私が少女マンガも読んでいる人間でしたので対応できたのではないかと思っています。
1週間後に奥さんが退院してきましたが、しばらくの間は店の奥で身体を休めておいてもらおうということで、私の大学自主休講はもう少し続くことになりました。