今週のRelease Radarのプレイリスト、先週に引き続いての紹介はアラン・ホールズワース(Allan Holdsworth)のLive盤と、イギリスのマルチインストゥルメンタリスト、Robin ArmstrongによるプロジェクトCosmografのみ。
アイドル枠はLyrical schoolのみ。先日はシングルカット曲でしたが、今週はアルバム収録曲から。
今週の最もお薦めなのは、以前にも絶賛したアイスランドのÁrstíðirの新作。見事なまでに美しい男性コーラスを楽しんでいただきたいです。
BIG BIG TRAINはイギリスのプログレッシブロックバンドで。Spotifyでも何度か紹介されましたが、このBLOGで毎週取り上げるようになってからは紹介されることがありませんでしたが、このタイミングで新作が発表されました。王道寄りの曲です。
デンマーク発の4人組プログレッシヴ・メタル・バンド VOLAの新作はシングル曲。こちらはバンド・ヴァージョンですが、ピアノによる演奏のヴァージョンもあります。
ドイツのマルチインストゥルメンタリストPerdurabo。シンプルなピアノの旋律が印象的ですが、その後重ねられる歪み気味の音に寄ったさらに強調される感じ。独特な美しさがあります。
ママール・ハンズ(Mammal Hands)はイギリスの新世代ジャズを牽引するジャズ・トリオとのこと。民族音楽、ミニマル・ミュージック、エレクトロニカ・サウンドからの影響を受けた音は、小気味よくリズミカルな響きと、緩やかなアルトサックスのジャジーな調べが交互に打ち寄せる曲構成です。ジャズというカテゴリーに拘ることなく聴けるのが素晴らしい。
そのママール・ハンズ(Mammal Hands)の盟友とも称されるのが、以前にも紹介したことのあるゴーゴー・ペンギン(GoGo Penguin)です。ハング(ドラム)を使用するPortico Quartetとのコラボ曲は、ハングを脇役としてうまく使用すろことで、独特なオリジナリティを確立しています。
50年以上のキャリアを誇り、ギターボーカル先駆者の一人として認知されているピーター・フランプトン(Peter Frampton)が最近はバンド名義で作品を発表しています。ヴォーカルレスのインストルメンタル曲は魅力的です。
ノルウェーのジャズ・チューバ奏者Daniel Herskedalは情報が少なく、書けることも少ないのですが、この曲は民族音楽色があり、チューバそのものは控え目で、曲構成力の力量を聞かせてくれます。
オランダのベテラン・プログレッシブ・ロック・バンドのKayakは常にポピュラーなプログレをファンに提供し続けてきました。この曲もスタイルは変わらず、安定のクオリティ。
アメリカのロックバンドGreta Van Fleetはハードロックとブルースを融合させた曲で、私好みの演奏を聴かせてくれます。さすが2018年の第61回グラミー賞において最優秀ロックアルバム賞を受賞しただけあります。
その他のピックアップ曲。
続いてDiscover Weeklyの今週のプレイリストの方は、メジャーなアーティストの名前が目立ちました。まずは米国産プログレッシブ・メタルの草分け的存在でありながら、依然として頂点に君臨を続けるドリーム・シアター (Dream Theater) のOctavarium (2005年)から20分超えのタイトル曲。見事なまでの音の構築美に感動します。
そしてハードロックのレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)が、後のメタル・バンドなどに与えた影響には実に多大なものがあります。1973年の5作目のアルバムのリマスター盤から。50年近く前の曲とは思えません。
さらにもう一つ懐かしいアーティストがイギリスのロック・デュオのティアーズ・フォー・フィアーズ (Tears for Fears)です。MTVブームのタイミングでヒット曲を連発しましたが、曲そのものは浮ついたところのない王道のロック・サウンドでした。特にギターとヴォーカルの優しい掛け合いが好きでした。
続いては初めて音に接するアーティストをいくつか。
ウルヴェル(Ulver)はノルウェーのバンドで、ブラック・メタルからスタートしたものの、その後はアルバム毎に音楽性を変えるのが特徴。1995年のセカンドアルバムからのこの曲は、アコースティックギターによるフォークが全面に押し出されていて、まったくメタルっぽさが感じられない美しい曲です。
コントラバス+ヴォーカル/ドラムというデュオ編制で反復フレーズと詠唱のような歌で、ジャケットに象徴されるような宗教・精神的世界へ誘う音が特徴的。アメリカのドゥーム/メタル・バンドOMは、重い音ながら意外と聴き易い。
Stoned Jesusはジャケットからネイティブ・アメリカンのバンドかと思ったのですが、実はウクライナのバンド。情報が無さ過ぎなので、曲の印象のみなんですが、シンプルなギターと男性ヴォーカル。英語なのでウクライナっぽさはまるでありませんが、中盤からのギターの音の重なりなんかは好みです。ちなみに16分の大曲。
アメリカのサイケデリック・ロックバンドKing Buffaloはいかにもアメリカらしい名前を持ったバンドで、サイケ色満載の演奏を聞かせてくれます。これだけ思った通りの音というのも珍しいです。
モービッド・エンジェル (Morbid Angel) は、アメリカのデスメタル・バンド。アコースティック・ギターのソロが聴ける小曲は結構お薦め。
ハンガリーの民族音楽デュオThe Moon and the Nightspiritは異教のおとぎ話とシャーマニズムを扱うということで、中世の音楽とハンガリーの民謡をミックスしていますが、モンゴルの歌唱法「ホーミー」なども取り入れられています。
Break of Realityは、3人のチェリストとパーカッショニストで構成されるアメリカのユニークなチェロロックバンドで、パーカッションとチェロによる低音のハーモニーが楽しめます。
Kalandraはノルウェーの4人組ポップバンド。ポップバンドというにはジャケットが禍々しく曲も重いが、女性ヴォーカルの詠唱にも聞こえる歌声が病みつきになりそう。
Amenraはベルギーのポストメタルを中心に様々なスタイルを持ったバンドです。ライブでアコースティックギターを聴かせるシンプルな楽曲。
その他のピックアップ曲は、