今週のSpotify~Discover Weekly~

Fanfare & Fantasy

今週は往年の各国のプログレッシブ・ロック・グループが大変目立ちました。また、最近台頭しつつあるプログレッシブ・ロック・グループの名も目立っています。
まずは往年のグループから。最初はイギリスのVan Der Graaf Generator、略称「VDGG」。リーダーのヴォーカリストにして詩人のPeter Hammillの演劇的で抑揚に富むボーカルと、それに応じて叙情的な展開の演奏が特徴的。1976年の6枚目のアルバム「Still Life」から2005年のデジタル・リマスター・バージョンで。

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ドイツのEloyはシンフォニックで、スペーシーなサイケデリックサウンドをミックスした音楽性を持っていますが、メジャーなプログレッシブ・ロック・グループとは違う、B級的なグループとして語られることが多いかもしれません。ただ安定感と音楽性は私にとって非常に魅力的なバンドです。1977年のアルバム「Ocean」の2019年リマスターバージョンから。

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オランダからはFocus。イギリスでも人気が高く、日本でもイギリス経由で知名度が上昇しました。1972年のアルバム「Focus 3」からの曲は、このバンドの最大の特徴でもある、Thijs van Leerヨーデルを用いたヴォーカルを、フューチャーした曲のようなインパクトこそありませんが、キーボードとギターの美しい曲です。

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スウェーデンからはSamla Mammas Manna。音楽性としてはカンタベリー・ロックのようなjazzの要素が混じったものに、ユーモアがちりばめられたイメージです。1973年の2枚目のアルバム「Måltid」から。

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最後にイタリアからは2組。Premiata Forneria Marconi(PFM)は、イタリアのプログレッシブ・ロック・グループとして最も有名なバンドのひとつで、来日回数も6回に及びます。コンピレーションアルバムの「PFM Celebration 1972-2012」からの曲では、地中海音楽的でバロック音楽的要素も感じられる曲を、しっかりとしたテクニックに裏打ちされた演奏が堪能させてもらえます。

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もう一つのグループはAlphataurus。このグループも卓越した演奏力と歌いあげるヴォーカルが特徴的な、典型的なイタリアン・プログレを聴かせてくれます。彼らの1973年のファーストアルバム「Alphataurus」から。ちなみにセカンドアルバム的な音源の発表までは約20年を擁しています。

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次に最近頑張っているプログレッシブ・ロック・グループも多くピックアップされていますが、中心はイギリス勢で、MarillionのオリジナルギタリストSteve Rotheryのソロアルバム「The Ghosts of Pripyat」から。11分の長尺曲で、サウンドトラックのような情景描写的サウンドと、それに引き続いて披露されるギターサウンドが素敵です。

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IQももう中堅からベテランに近いグループになりますが、初期のプログレ・バンドのスタイルを継承しているので、私には親しみやすい音です。それは2014年のアルバム「The Road of Bones」収録のこの曲も変わりません。

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Arenaも1995年に結成された中堅バンドです。シンフォニックからハードロックまでに至る音楽性を持ち、魅力的な音を聴かせてくれます。1998年の3枚目のアルバム「The Visitor」収録のこの曲は、当時のプログレ曲としての水準をクリアしています。

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Mostly Autumnも1995年に結成。ケルト音楽やハード・ロックプログレと融合した音楽を作ってきました。この曲は2009年のリマスター・ベスト盤「Pass the Clock」から。ギターもキーボードも美しく、それに重なる女性ヴォーカルの美しさも感動的です。

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Comedy Of Errorsシェイクスピアの喜劇と同名の、イギリスでもスコットランド地方出身のシンフォニック系プログレ・バンドです。2013年のセカンドアルバムからの曲は、2000年以前のシンフォニック・ロックを彷彿とさせる内容です。というのもこのバンドはなんと結成が1980年代なのに、デビューアルバムは2011年の発表という超晩成タイプのバンドなのです。好みど真ん中でお薦め。

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オランダのシンフォニック・ロック・バンドKnight Area。典型的な叙情派プログレで、聴き易く日本人好みの音だと思います。2017年の7枚目のアルバムから。ギターが鳴きまくります。

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Throes of Dawnフィンランドのメタルバンド。ダークな曲調の上で展開される透明感のあるメロディーも聴きものです。

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Gazpachoノルウェーのアートというかプログレッシブ・ロック・グループで、2007年の4枚目のアルバム「Night」からの17分の大曲は、構成も複雑な完全なプログレでした。

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アルメニア出身のギタリスト、Hovak Alaverdyanを中心としたプログレッシヴメタル・プロジェクトOctavisionの1stアルバム「COEXIST」から。このアルバムには、スーパー・ベーシストBilly SheehanHR/HMシーンを代表するヴォーカリストJeff Scott Sotoも参加しています。

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今週はプログレとメタルに集中しての紹介になりました。Jazz系の作品も紹介したいところですが、それは次週以降に。